クレームもここまできたら、業務の支障をきたすなあ。
公務執行妨害にならへんの?
こう言ったなやみに答えます。
本記事のテーマ
公務員へのクレーム 公務執行妨害罪に問われることも【元大阪市職員が解説】
公務執行妨害と聞くと、警察などのイメージが強いですが、もちろん行政職員の公務を妨害した場合でも公務執行妨害罪の適用を受けることがあります。
クレーマーも注意しないと、自分が逮捕される場合もあるということですね。
この記事では ・大声で怒鳴られる ・長時間拘束される ・軟禁される ・退出を求めても居座る
こういったケースについて解説していきます。
この記事の信憑性
大阪市職員として42年奉職し、毎日来るクレーマーにどういった対応をすれば良いのか、元公務員として数々のクレーマー処理に携わってきた筆者が、行政暴力に対抗する術をわかりやすく解説します。
読者へのメッセージ
この記事を読んで、公務員に対するクレーマー対応のコツを学んでいただければ幸いです。
大声で怒鳴られる
クレーム処理の中で一番多いパターンがこれですね。
ここからさらにエスカレートする場合もありますが、そういった場合は対応ができていない場合が非常に多いです。
エスカレートするかは、ここできちんと聞く体制を整え、相手の要望を聞き取り、可能な範囲での回答を誠意を持って対応できるかどうかにかかってきます。
まずは怒りを沈める。
怒鳴らなくても大丈夫ということと、他の来庁者の迷惑にもなるので大声を出さないよう警告しましょう。
3回警告してもこちらのいうことを聞き入れないようなら、これ以上のお話をする必要がない旨を告げ、退去を求めましょう。
ただし、ここに至る前に次のことができている前提です。
ポイント ・相手の要望を順序立てて聞くことができている ・行政のできることできないことを説明済み ・その上で、最善の策も提示している
ここまできても、納得が行かず、自己の利益のために無理難題を押し付けてくるようであれば不当要求として処理しましょう。
長時間拘束される
同案件について、一方的に職員を拘束し、職員の身柄を拘束するようなことがあれば、すぐに警察に通報しましょう。
案件によっては自宅へ出向くことも多い行政業務。
一人では行かず必ず二人以上で対応することは常識ですが、稀に一人で行かなければいけないケースも往々にしてあるでしょう。
しかし、クレーマーとわかって一人でいくことは絶対に止めましょう。
身の危険が迫った時に対応することができない可能性があります。
最低でも二人で対応し、万が一の場合に警察へ連絡できるよう万全の態勢で臨みましょう。
予め何時に現地到着、交渉開始、交渉終了まで時間を決めておき、事務所内での情報共有を必ずしておくことが大切です。
長時間立たされる、動画を撮影されるなど、行政業務の内容を逸脱したようなことを強要された場合は、警察へ即通報しましょう。
被害届を提出すれば、警察の捜査が入ります。
その時のやりとりなど、録音機器も提出すれば、被害の内容も明らかとなりますね。
行政側の落ち度がどの程度あるのか、回避できないようなないようであればそれを強要されることが他の公務に影響を及ぼすことが予想されます。
そういったことがあれば、遠慮なく警察へ通報するようにしましょう。
軟禁される
団体との協議で揉めた場合は、こういったことも予想されます。
出入り口を団体が固め、職員の回答を引き出すまで会議室に軟禁するというものです。
完全にいき過ぎた行為です。
けが人が出る前に即、警察へ通報しましょう。
その際も、事前に警察へ通報する旨を告げておきましょう。
団体も警察に通報するまではしないと思っている場合があります。
きっちりと制度に則り、適切に対応しましょう。
退出を求めても居座る
窓口での話が平行線で決着する見込みがない場合は、これ以上の話は他の公務に影響を及ぼすので、退出を求めましょう。
退出を促しても居座るようであれば、警察に通報することも告げた上で、警察へ通報しましょう。
場合によっては不退去罪の適用となり逮捕されることもあります。
一番やってはいけないことは、相手のペースに合わせて諦めるのを待つということ。
閉庁時間もありますし、大声を出して居座るようなクレーマーは即警察へ通報し、対応を待ちましょう。
相手のペースに合わせるのは初動が大切です。
ここまで居座るケースでは、坦々と事実のみを繰り返し、対処しましょう。
公務執行妨害のまとめ
通常のクレームなら相手の困っている点をきっちりと聞き、真摯に対応する。
初動を間違わなければ大きなクレームに発展することはまずありません。
しかし、誠意ある対応をしなかったり、相手が納得をしない場合というのが少なからず発生するのが窓口です。
不当要求に屈する必要はありませんし、そういったことをすることが不適切な事務処理として責任を負う羽目になってしまうことがあります。
あくまで、組織で対応し、適切に処理していきましょう。
私が窓口対応の際にためになった書籍を紹介しますね。