
窓口で責任をとれと言われた〜
どうすればいいの?
こう言ったなやみに答えます。
本記事のテーマ
公務員への不当要求 責任をとれと言われた場合の対処法【元公務員が解説します】
本記事では ・個人の責任とは ・本来は組織対応 ・責任をとれと言わせないために
について解説していきます。
この記事の信憑性
元大阪市職員として、数々のクレーム対応を行ってきた経験を元に、マニュアルにはない対応方法で、クレーマーを納得させる方法を紹介します。
読者へのメッセージ
窓口業務は市役所の顔。あなたの行動一つで市民が納得するかしないかにかかってきます。この記事を通して市民対応の大切さに気づいていただければ幸いです。
個人の責任とは
行政業務を適切に行っている中で、個人の責任を個人の身に取らせることはありません。
個人の責任を取る必要がある場合とは、不適切な手続きをした場合です。
例えば、公費で支出しなければならないものを時間が間に合わないと言った理由から私費で立て替えてしまうと言ったことが挙げられます。
そもそも公費支出というものはいろんな手続きを経て支出しなければならないため、今すぐ同行できるものではありません。
そのため、手続きを忘れていた場合、私費で立て替えて支払ってしまうことが多くあります。
こう言った場合は不適切な事務処理をしたということで処分対象になります。
もちろん、上司も管理監督責任を問われる場合がありますので、日頃からお金の流れというものは管理把握しておく必要があります。
つまり、個人の責任を問われる場合というものは、自らが誤った処理をしない限り、責任を負うということは生じません。
本来は組織対応
行政業務というものはあくまで組織での対応となります。
法律、条例、規則等にのっとり、適切に処理を行なっていけば、万が一のときでも組織としてどう言った手続きをしていくのかを判断することで事足ります。
なので、日頃からホウレンソウ(報告・連絡・相談)が大切ということですね。
風通しが良い職場というのは、日頃からそう言った情報共有ができているため大きな問題となりません。
では、定額給付金の支給というような限定的な業務はどうかというと、そもそも今回の定額給付金というものは、国が定めたものであって、地方公共団体がその業務を行うというものでした。
つまり何のノウハウもない中、地方公共団体に丸投げの制度だったんですね。
大きな地方公共団体ほど、その業務は煩雑になり、混乱を招きました。
こう言った場合にこそ、組織で責任を持った対応をしないといけません。
よくあるのが、隣の人はもらったのに私はまだもらっていない。とか、私の方が早く申請したのにまだもらえない。といった苦情です。
大阪市の場合は152万世帯が対象となり、多くの申請が6月上旬に集中したため、開封作業だけで2週間以上もかかってしまうことになりました。
〜大阪市HPより〜
多くの場合は、申請に不備があり、給付ができないのですが、その申請数の多さから、不備の連絡すらもできない状況に陥ってしまうという、ループに入ってしまったんでしょうね。
いまだに給付されない人というのは、不備の内容が理解できない人ということになります。
こう言った方には戸別訪問しか方法はないかもしれませんね。
まあ、こう言った特殊な事情であれ、個人の責任で行うのではなく、組織の責任において行うものであり、たとえ個人の責任を問われたところで、できないものはできないとはっきり伝えることが大切です。
責任をとれと言わせないために
無責任な対応をされた、公務員は苦労を知らない、偉そうといった、個人の対応の悪さから、さらにクレームがエスカレートしていくと言ったケースが少なくありません。
市民も人なら、公務員も人なので感情的になることもあるでしょうが、ここは一旦相手の立場に立って親身に相談に応じる姿勢を見せることが大切です。
相手も自分のことをわかってくれたと思えば、苦情にも繋がりません。
ここで大切なのはどうやってわかってもらえたと思ってもらえるのかということです。
それは、あいてに、「そうなんです。」
と言わせること。
これでこちらの制度を細かく説明し、理解を得るための最初のステップはクリアです。
その前に、制度だけを説明しても、全く受け入れてもらえません。
まずは、相手に、聞いてもらえた、わかってもらえたと思ってもらうことが大切なんですね。
あとは、相手のwinを見つけ出し、こちらのwinの範疇であればwin−winの関係で交渉成立です。
一方がloseであれば交渉不成立となります。
いかにこのwin−winの関係を導き出せるのかというのが、相手の立場に立って物事を考える力を養うということです。
さきほどの「そうなんです」という言葉や、「はい」という言葉は、YESセットといって、何度も同意できる言葉を出すと、その人の言う言葉はすべて正しいことという風に理解されるようになります。
なのでこう言ったテクニックを身につけていれば、いろんな交渉ごとも有利に運ぶことが可能となります。
ここで身につけたテクニックは、公務員という立場を離れてもあらゆる場面で活用できます。
たとえば、退職後の起業や転職といったケースにも非常に有効です。
こう言った知識の習得にはこちらの書籍が有効です。
人生のハードルがぐっと下がりますね。
不当要求のまとめ
公務員という立場上、クレームというものはつきものです。
いかに、相手の立場に立って理解を示せるか、相手のwinの中にこちらのwinを引き出せるかがポイントとなります。
ここで身につけたテクニックは、公務員という立場を離れてもあらゆる場面で活用できます。
退職後の再任用に囚われることなく、起業や転職といったケースにも非常に有効です。
ちょっとした読書習慣から人生のハードルを下げることができるなんて、知ってるか知らないかだけなんですね。