
大阪都構想の住民投票、賛成か反対か、どっちにすればいいん?
全然ようわからんわ!
こう言った疑問に答えます。
本記事のテーマ
大阪都構想のメリット、デメリットとは?【元大阪市職員が考察】
大阪都構想が11月1日に決まりましたね。
大阪市民としては、どっちの判断を下せばいいのか、重大な判断を任されたことになります。
この記事では ・大阪都構想のメリット ・大阪都構想のデメリット ・住民投票の賛否についての判断材料
について、元大阪市職員の考え方も踏まえてご紹介します。
この記事の信憑性
大阪都構想を掲げる維新の会の議員が説明している都構想のメリットと、それに反対する自民党の議員の指摘や学者の意見をデメリットとしてまとめました。また、大阪市職員としての経験から、どう言った基準で考えればいいのかを提示します。
読者さんへのメッセージ
大阪市民として重要な判断を行う場であることを認識した上で、維新の会の人気や、「何かええようになるやろう」と言う安易な考えで判断しないよう、材料を揃えました。
あとは、何を信じるのかはあなた次第です。
あなたの決断が、大阪の未来、日本の未来を変えます。
その判断材料の一つとなれば幸いです。
大阪都構想のメリット
いわゆる大阪維新の会の公約として掲げられた大阪都構想ですが、前回の市長選挙でも大阪都構想賛成の流れから、ダブル選挙で松井市長、吉村府知事が誕生しましたね。
実際、大阪都になれば、どんな明るい未来が待っているのでしょうか。
大阪維新の会が掲げるメリットについてご紹介します。
1、住民サービスの向上
選挙で選ばれた区長が、各区の要望を吸い上げ、これまで以上のきめ細かな施策が可能としています。
大阪市では260万人のニーズに答えなければなりません。
特別区になれば約4分の1になるわけですから、その分きめ細かなニーズに答えられます。
2、二重行政がなくなる
大阪府と大阪市二重の行政サービスによる無駄がなくなります。
大阪市と大阪府で対立した意見だと前に進むものもすすみません。
3、特別区の税金は特別区のために使います。
大阪市が担ってきた消防や下水道は都に一本化しますが、仕事とお金は常にセットで考え、仕事の移管に伴う必要な額を特別区が負担します。
大阪都構想のデメリット
大阪維新の会が提唱する薔薇色の大阪都構想に対して、自民党議員や学者など反対派の意見をまとめました。
1、住民サービスの低下
大阪市が住民サービスを行ってこれたのは大阪市の税収からです。
敬老優待パスや子どもの医療費助成、塾代助成はなくなると言うか、財源がないので実施は不可能です。
維新は大阪市の税収は守るようなことを言っていますが、そこには何の根拠もなく、特別区になった大阪都には国からの補助はありません。
政令指定都市だからこそあった補助なく、どんな行政サービスが可能なのでしょうか。
具体的にどうなるの?
今話題の特別定額給付金を例にとってみましょう。
これは国が認めた給付金なので、全国的に実施されていますよね。
ただ、現時点でも各市区町村に特化した給付金制度というものが実施されているのをご存知でしょうか?
大阪市では、未就学児に5万円の給付を発表しましたね。
こんなかんじで、各自治体が市費を投じて実施できるのが莫大な資金をもっている政令指定都市の強みですね。
特別区になると、こう言った費用を捻出するにも、府に2000億抜かれてしまいますから、残りの費用で賄う必要があります。
かなりハードルが高くなるので、こう言ったサービスを継続することも難しくなるでしょうね。
また、特別区によってサービスが異なることもありますね。
特別区には中核市以下の権限しかなく、広域的なことは府が担います。何をするにも府にお伺いを立てなければいけません。
大阪府は大阪市のことを府が思うままにできるということですね。
反対しても府議会では勝てないでしょう。
大阪市に不利益なことは、政令指定都市の立場では断れますし、そもそも広域行政も担うことができたから水道も安く維持できてるんですね。
防災も避難所や災害物資も府頼みです。
市を分割するのではなく、廃止して権限を奪い、黙らせることに意義ない方なんているのでしょうか?
2、そもそも二重行政解消は話し合いで可能
実際、病院や学校、図書館など、廃止、統合などに向け進んでいます。これって二重行政だったのでしょうか。病院が減って不便になったのは大阪市民ですね。
いわゆる無駄とされてきている箱ものは、経済成長が活発な時代に作られたもので、役人が考えたものでも何でもなく、経済の流れから政治的な判断もあり大阪だけではなく、全国的に作られてきています。
当然バブルがはじけて以降、箱物は作られていませんし、二重行政の無駄ということとは全く論点が違うことです。
3、特別区の税金は特別区のためだけに使われない。
4つの特別区にわけ、権限と予算を大阪府に一元化されると、特別区の予算は特別区のために使うと言われても、一元化すると言うことと矛盾していますね。
元々少ない大阪府の税収を補填するために大阪市の税収を吸い上げるのですから、今までと同様の住民サービスが受けられるはずがありませんし、受けられる保証もありません。
前述したように政令指定都市よりランクが下がるわけです。
どこから捻出するのでしょう。
東京都が占める都の割合と、大阪府が占める都の割合を見ても歴然ですね。
実際には都政制度の歴史は古く、都の予算は厳しいものとなってます。
住民投票のための判断材料
では、大阪市民はなにを判断材料としたら良いのでしょうか。
自分が支持する政党の意見を丸呑みにして、賛否を決めていいのでしょうか。
一度大阪市を解体したら、2度と大阪市には戻れません。
本当に住民サービスが向上するのか、予算はどこから生まれるのか、誰が負担するのか、負担した分は大阪市民に還元されるのかを、十分に理解する必要があると思います。
その上で、正しい判断をすれば、誰も文句は言えませんね。
住民に対する説明会も実施されるので、可能であれば質問して自分が納得のいくような判断材料を仕入れなければ、安易な判断で住民投票にいくべきではありませんね。
政治家を決めるのは市民ですが、まだ、失敗しても変更が可能です。
ところが、都構想は一度決定したら変更できません。
なぜか、2度目の住民投票は維新の公約を掲げたため実施することになりましたね。
政治を変えるのと行政の仕組みを変えることは全く持って重さが違うのです。
あなたの子どもや孫が住む未来が、明るい未来になるのかどうかは、その一票にかかっています。
賛成多数になった場合は、大阪市が解体され、2度と復活されることはありません。
30年後、後悔する選択になるのかならないのか、行政は民間のような浮き沈みがあってはいけない長期的な安心安全が不可欠です。
業績が悪いからと言って倒産なんてことになったら、そこに住む市民にサービスは当然できませんね。
大阪都構想 まとめ
大阪都構想に対する対案として、総合区が掲げられてます。
もともと、今のシステムに反論している維新に対し更に対案を出せと言われて出したのが大阪会議ですね。
そして、その大阪会議の進行を妨害したのは維新でした。
そもそも、対案を出す必要はなかったのです。
まんまと維新の策に落ちたと言ったところですね。
都にするメリットは、いろいろ聞いているといいことだらけと思います。
当初掲げていた4000億円の無駄というのも絵空事で、実際は何の根拠もなかったことが証明されています。
今の試算では一億程度とも言われていて、何の根拠もない数字を市民はさも、本当のことのように信じさせられていたのです。
かと言って、反対だからと言う現状維持は、従来の話し合いで解決していくこれまでの民主主義を踏襲していると言えます。
民主主義の崩壊は独裁政治です。
でも、失敗しても誰も責任取りませんよ。
改革=改善と思ってしまいがちですが、本当にそうなのか、甚だ疑問です。
元大阪市職員としても4つの特別区に分けることが、どれほど無駄なことなのか、行政サービスの低下がはっきりとわかっているのに、政治的な判断は公務員の仕事ではなく、市長、市議会の判断が市民の総意とされ、その時代にあった改革が実施されています。
それはこれまでの箱物を作ってきたことからもわかりますね。
その改革の手続きを仕事としてしなければいけないのは、かなり精神的に辛いですね。
これが本当に薔薇色の改革なら大阪市職員も率先して資料を提示するでしょう。
こう言った疑問にも住民説明会には的確に答えていただけるものと思っていますが、事前に自分でも理解していないとなかなか疑問も浮かばないものと思います。
大阪のことは大阪で考えるべきかとも思いますが、それでも判断材料がなさすぎますね。
京都の学者の藤井教授が大阪都構想について著書を出されています。

松浪ケンタ大阪府議会議員が都構想について詳しく書かれています。
これが全てではありませんが、判断材料の一つとして読んでみてはいかがでしょう。